ラケンロ~ル馬鹿一座と、イラク開戦2周年と

大阪のドラム叩き・ぼんきちが彼女のBBS上で、おもろい事を言ってました。「ジェロニモレーベルとはなんぞや?ラケンロぅ馬鹿一座でござんす。ベース無しの鬼畜バンド(家畜にはなれぬ人達だ)。」

一昨年の暮れ、十年近く親しんできた3人組編成をやめた。去年の秋までは主にツダビンスキー、そして最近は主にジーティエン・ダージー(吉田大志)というドラマーとの二人編成で、ジェロニモレーベルは転がっている。
ゆくゆくは、ギター一本持ってあの町に行った時はAが叩いてくれて、あの国に行ったらBが叩き…と、国籍性別問わぬドラマーが入れ替わり立ち代わり叩いてくれるのが理想だなぁ。同じメンバーでの安定したバンド形態も捨て難いがしばらくは、身軽で動きやすい“複数ドラマー交代制・ラケンロ~ル馬鹿一座形態”を追求したい。これだとゴマカシがきかんから、必然的にギターも上手くなるし(笑)ドラマーごとの曲の変化も楽しめる。
というワケで俺はヤル気満々です。興味あるドラマーの方はいつでも連絡くれーぃ! あともちろん、出演相談も。

20日はイラク開戦2周年ということで、京都でも大きな反戦デモがあった。俺はもう、今の戦争の事を考えたら気が狂いそうに腹が立つので、戦争反対で大勢の人が集まるのは素晴らしいと思う。センスがどーのこーのとか、小うるさい事は、もうこのさい関係ないや。
三条河原では、いろんな個人やら集団が思い思いに集会やライブをしていた。ジェロニモレーベルでも3曲ほどやったが、見事に失敗。ヘタ打ってもうた。サクっと登場してガツン!と演奏したかったが、チューニングに恐ろしくもたついた。バンドを始めたばかりのころみたいに、真剣に焦った。人がいっぱい居るだけに…。ひぃ~! あの十数分の事はもう忘れるか…。

その後、大阪の天満にあるLotus Rootsというギャラリーの改装パーティーに行った。偽ジプシーとミシュコ・プラヴィ氏(ベオグラードのアコーディオン奏者)を引き合わせてくれた堺の松本心平君が誘ってくれたので。実は、このギャラリーをやってるMegoo嬢とは3年前にフジロック・フェスで知り合い、マヌー・チャオ好きという事で意気投合したのだった。最近知り合ったばかりの心平君とも知り合いとは、何という人の縁の不思議! 類は類を呼ぶということか…
実に楽しいパーティーで、俺もプチ・ライブをやらせてもらった。最初に、独りジェロニモレーベルとして「空の上からやりたい放題」と「サメ」を。そして独り偽ジプシーでも数曲。2月に堺の飲み屋“犬吉”で会った人たちも何人か来ており、俺がやる前から「チョチェックに夢中」を歌っているではないか…。わははは。堺、恐るべし。
Posted by hideyo327 at 19:26 │Comments(0) │TrackBack(0)
2005年03月21日
一ヶ月ためまくりレポート後半・歌舞伎町~国立~新宿南口
偽ジプシーの関東初上陸を成功裡に終え、アコーディオン奏者デビッチも大満足で京都へ帰っていった。が、俺にはまだ、ジェロニモレーベルのライブ2本が控えているのだ。怒涛の東京デイズ、いよいよ後半戦に突入である。

☆3/7 CD流通作戦~現時点ではエネルギーの無駄使いかな…と
今の時代、モノは売れない。ましてや俺らのようなジャンル分け不可能な(世間一般的には)正体不明な地方バンドのロックンロ~ルなど、いわゆる大手CD屋に持ち込んでも、まず相手にされない。
今回の東京行きの重要な目的の一つが、ジェロニモレーベルが3年前に出したCD「罰当たり幸福男」を、全国規模で流通させる可能性を探る事である。去年の暮れあたりから、東京のライブハウスにデモ音源や資料を送るのと並行して、いくつかの流通業者に接触を図ってきた。
その結果、マニアックな作品の取り扱いで有名なB社からは「うちみたいな小さい所で小さく見せるより、大きな所で勝負したほうがいいと思います」との返事をいただいた。そこで、インディーズ作品の流通業者としては大手のD社にコンタクトを取ってみた。まぁ返事が来たら万々歳だなーと思って待っていたら、すぐに返事をいただいた。その中で「現状のリリース状況では月々のランニングコスト(最低限のいろんな費用)の面などから、採算的に見合わない」という至極当然な理由から、J社という受託レーベルを介した間接的な取り扱いを提案された。
そこで、紹介されたJ社に出向いて担当の方と会って来た。分厚い資料を渡され、具体的でていねいな説明をしてもらった。店舗との間でのややこしい手続き的な事はかなり代行してくれるのだが、相当な額のマージンを取られる…。そして当然の事ながら、各CD店への営業はバンドが自分でやらなくてはならない。
うーむ、一日に何十枚というおびただしい新譜が世に出る中で、その中に埋もれないような必死の営業活動ね…。ダメだダメだ! 少なくとも今は、そういう方向性にエネルギーを注いでる場合じゃないわ。というのが、直感的な俺の結論でした。
むろん断念したワケじゃく、新たな作戦を思いつくかブレーン的に手伝ってくれる人と出会えるまで、全国流通作戦は保留というか延期。しかし、業者の方とメールでやりとりしたり直にお会いしてしゃべってみて、いろいろ勉強になったのは確かだ。あとネットショップも含め、当分はリサーチあるのみ。いずれにせよ、そう遠くないうちにGeronimo Labelでも偽ジプシーでも新作を出す以上、流通は避けて通れぬ問題だ…。

☆3/8 ジェロニモレーベル@新宿ウルガ
東京に来てからけっこう寒い日が続いたが、この日は一転してポカポカ陽気。ドラマーの吉田君と、昼すぎに新宿で合流。歌舞伎町で沖縄ソバ食って、スタジオで直前練習してウルガへ。井上卓(たかし)の東京でのホームグラウンド的なハコで彼が紹介してくれたのだが、パンクなとんがり具合と居酒屋みたいな居心地の良さが混ざった、不思議な空間である。
「男と夕焼けとキャッチボール」を青筋立てて歌い上げるフォーク野郎函館くんにリハーサルの時点でかなり盛り上がり、オープニングのスラッシュメタルオグレも、観てて高揚しまくった。
この日は、「罰当たり幸福男」を出したころから3年近くもライブを心待ちにしていた人たち(曲を覚えまくっている!!)や、一昨日の偽ジプシーを観に来てくれたインテリパンクのカワベ氏(後述)、一昨日の偽ジプシーは見逃したけど駆けつけてくれた友人など、初めて俺らを見る人がたくさん来てくれた。客席からいっぱいエネルギーをもらった。
音もよかったし、ハコの雰囲気もかなり好きになった。楽しすぎて曲によってはハメをはずし、「演奏面でちょっと遊び過ぎたのでは?」と、(初めての人には特に、曲をストレートに聴かせる努力をしたほうがいい、という意味で)愛ある苦言をしてくれた友もいた。それもまた、ありがたい!

☆3/9 国立(くにたち)は、不思議な街だ
昨日の新宿が上手く行ったので、余裕たっぷりの気分で国立へ。駅を降りたとたんドドーンと広がる大学通りが、なんか大陸的というか異国情緒にあふれてて、どこか日本離れした街並みだ。ここ地球屋は、関西のバンドもよくライブしに来ていて、いろんな友人が勧めてくれた。
リハーサル時。ママのエルさんが、腕組みをして真剣に聴いている。「ドラム前に出してさぁ、ふたり並んだ方がいいんじゃない?」 おー、そうそう! せっかく二人編成なんだから、ドラムもフロントに出して並ぶという配置をやってみたかったのだ。
リハが異常なまでの緊迫感にあふれていたので、「わちゃー、今日はハコに飲まれるかな」と、正直少しビビッていた。が、本番では打って変わり、大歓声の中でリラックスして演奏できた。キヨシローの知り合いだというオッサンとかハコの常連客もワーワーと楽しんでくれて、終わった後にもいろんなアドヴァイスくれたのが国立っぽいなぁと思った。出演バンドへの、馴れ合いじゃない厳しさと愛にしびれた。いろんな奴が「地球屋いいよー!」と言ってるのがよくわかる。

☆3/11 作戦会議?
今回のツアーではたくさんの面白い人たちと出会えたので、俺が京都に帰る前にいっぺん集まらないかと言う話になり(というか俺が無理やりそうした)、新宿の中華屋で愉快に飲んだ。偽ジプシーとジェロニモレーベルを介して出会った人たちを、つなげてみたかったのだ。
その中の一人、自称インテリ・パンクスのカワベ君は、たまたまネット上で見つけた彼のブログ視覚伝達失敗が、カッコよく面白かったので、「実はこういうバンドやってる者で、今度東京でライブやるんですけど」とメール送ったら、両方のバンドを観に来てくれたのだった。9.11で一気に(誰の目にも隠しようもなく)血の海に沈んでいく世界にあって、社会の動きと没交渉に“純粋音楽的に”ロックンロ~ルなんてできるんか?世の中(というか聴く人の意識というか…)をザワザワさせてこそラケンロ~ルだよな!てな事を熱く語り合った。
ウルガのライブ後に愛ある苦言をくれた淫獣Y氏からも「あんなにギター暴走してたらもったいないですから!」とダメ押しを食らい、3年近くライブを待ってくれていたK君やA君とは次回東京ライブの作戦を語り合った。
俺のやってるバンドでこれだけ盛り上がってくれるメンツが集まるというだけで、かなり奇跡に近い嬉しい事だ。けど、ここで盛り上がるだけに終わったらそれは、ひとつの退屈な“ラケンロ~ル村”(あるいは“偽チョチェック村”)ができるだけのこと。
R&R(とチョチェック)で、世の中をザワザワさせたい。それに、バンドとして生き延びるためには金も、やってる事に対する評価も絶対に必要だ。
やることは山ほどあり、心強い仲間ができた。アクションあるのみ!

☆ 追記/ロックの秘境店~インディーズというより“自主制作盤”
3/7のところで、CDの全国流通は当面断念…っぽく書いたが、もちろん、流通業者を通さなくてもCDを置いてくれる店は存在する。その中でも三軒茶屋にあるフジヤマは、知る人ぞ知るロックの秘境店だ。今回は東京に着いたその日に「罰当たり~」を直に納品にうかがったのだが、日本の“自主制作盤”博物館とでも言うべき空間はまったく健在で、10年前に出した“だいなし”(ジェロニモレーベルの前身)の「袋小路で踊れ」もしっかり並んでいた。
それから新宿の隣、中野の雑然としたショッピングモールの中にあるミニコミ取り扱い店タコシェにも置いていただいた。国立でのライブ前日には、カワベ君が国分寺超山田堂という愉快な店を教えてくれたので、さっそく連絡して納品に行った。いまや本来の「自立・独立」という意味を喪失しつつある“インディーズ”なんかよりも、“自主制作”というベタな言葉がこういう店には似合う。
京都へ帰る日、新宿発の夜行バスまで時間があるので歌舞伎町の韓国エリア界隈をうろうろしてたら、突然「ジャーン」というギターの音。そこは大通りに面したライブハウスで、ガラス越しに中が丸見え。お、こりゃ偽ジプシーにピッタリのハコやんか!と思い看板を見るとNaked-Loft(裸のロフト)。これが、ウルガの人が言ってた新しい店か~。さっそくデモ音源送ろう。

という具合に、帰る直前まで収穫と発見に満ちた東京デイズだったのだ。

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