各地のすごい奴ら
秋の東京ツアーから戻った。行く前の不安はサッパリ消えて、ちょっとした解放感に呆けている。今回も、素敵な踊り手や、仲間と呼ぶべきバンドに出会えたし、総じて大変ラッキーだった。さっそく次の計画を立て始めたいぐらいだが、来週11/18は大阪でジェロニモレーベル・ワンマンだぁ! 気持ちを切り替える前に、軽く書きとめておこう。
まず、初日の11/1はファルソス・ヒターノス(偽ジプシー)が新宿ネイキッドロフト。このハコは、店長のテツオ氏が「偽チョチェック布教活動の拠点にしてくれていいッスよ」と言ってくれるほど、何回もお世話になっている。職安通り周辺の無国籍な界隈を含め、来るたび、妙にリラックスする俺…。
緻密で、どこか熱を帯びたAKIRA氏のラップトップ演奏に始まり、各出演者の合間には、今おそらく日本で最も熱いロマ(ジプシー)研究家・関口義人さんのDJが腰を直撃。バイオリンとの二人組になってから初登場の偽ジプシーには、Hayati&Yildizの二人がベリーダンスで絡んでくれて、一気にバルカン?or中近東?に連れて行ってくれた。初めての人がたくさん観に来てくれて、とても喜んでもらえたようだ。ありがたい話である。
翌11/2はジェロニモレーベルが、高円寺U.F.O CLUBで、去年に続いて友達の蜜輸入が企画してくれたイヴェントに出演。直球パンクバンドからエロチック・ダンスショウまで、最後まで見飽きる事がなかった。この日のGLは堀祥子のドラムで、短い時間にコンパクトに多くの曲を聞かせる作戦。この3年ほど欠かさず演奏している「罰当たり幸福男」からの曲が少しずつ後ろに回り、新曲をかなり前面に出した。「友達なくすど(仮称)」や「ゲバラの夢、サパタの夢」に、いい反応あり。
児来也というパンクバンドを初めて見たが、日本語がはっきり伝わるバンドは好きだ。怒涛の演奏と、誠実で真面目過ぎるMCとのギャップも面白かった。
そして、今回のゲルチュチュは圧巻だった! この“考える不良”なバンドは、友人のインテリパンク氏にCDを聞かされて一目ぼれならぬ一耳惚れし、何度か共演しているが、唄がこれだけ立って聴こえたのは初めて。“多勢に無勢の恨み節”を、間を生かしたファンクからドロドロのブルースまで、かなりきめ細かい高度なアレンジで延々と、しかし決してダレル事のない緊迫感でもって聴かせる。音楽的にも、相当すごいバンドだ!
続いて今回の旅の千秋楽は、国立の地球屋で。ここはナマ音重視の音作りをするハコで、去年の春に初めて出た時は、リハーサルで異様に緊張したのを思い出した。しかし、他のライブハウスにない空気があって好きだ。旅先で見つけた、やたら居心地いい安宿みたいな。
鍵盤とギターヴォーカルの二人組になったブルガキース・チャンペスキーの、緊迫感あるワルツで幕開け。たか(ヴォーカル)は、何と言っても目がいろっぽい。と、俺の友人(複数)も言っていた。ふにゃっとしたブルースをやっても、客席を一気に自分の世界に持っていってしまうだけの華がある。2曲目に入る時、鍵盤のチェリーさんがタンバリンや、鍋をひん曲げて自作したカウベルなどの小物を配り始め、前のほうの客がにわか打楽器奏者に。これで一気にヒートアップ!この原始的な手法、なかなかええなあ。彼らのラスト一曲American Dog(アメリカの犬)には、ぼん吉と俺も参加。いちギタリストとしてギターだけ弾くのが、これまた嬉しかった。
続いては、3~4年ぶりの共演となるLowlife Surferの登場。ヴォーカル智を中心に、楽しむ事を知ってる男6人が放つ粘っこいロックンロール。左右2台のギターが絡み合う瞬間とか、やっぱり快感やなあ。
ぼん吉ドラムの時のジェロニモレーベルは、「罰当たり幸福男」や「陳腐」などの曲のアドリブ部分でドラムとギターでしゃべり、遊びまくるのが醍醐味の一つ。しかも客席では、チャンペスキーの二人がばら撒いた小物パーカッションが、あちこちで鳴りまくり、ジャングルのようにグルーヴィー&賑やか! あまりの盛り上がりに、やってるこちらも大興奮。ライブ後半はギターのチューニングもゆるいまま暴走してしもうた。(後で録音MDを聴いて自覚…)わははは、最後がちょっと締まらんけど、楽しかった。
再会できた友達、初めて見てくれた人達、見逃した皆さん。関東には、たぶんまた2月ごろ来ます。そして関西(いや、全国から駆けつけてくれていいんだぁ!)の皆さん。11/18ジェロニモレーベル・ワンマンライブGERONIMO LABEL x3、いよいよ来週土曜だ!
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